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ニート系大学院生の書評

研究論文より本ばかり読んでいるニート系大学院生が、ジャンル問わずおすすめの本を紹介していきます。感想も書きます。

井上智洋『人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊問題』 技術は人間に取って代わってしまうのか

こんにちは!

本ばかり読んでるため、いよいよ発表関係が大変なことになっているたーすぎです!

 

前回は、技術の発展によって何でもできるようになっていく世の中で、何事も効率化を図っていく薫と、面倒なことの温かみを大事にしている、主人公ユッコの成長過程を描いた朝井リョウ先生の『ままならないから私とあなた』(文藝春秋)を紹介しました。

 

ta-sugi-na.hatenablog.com

 

この作品には、実際に機械の発展によって今まで一部の人しかできなかったものが誰にでもできるようになることの寂しさ、なども描かれていました。

 

作品とは関係ありませんが、女子とのメールなんかで

Re:Re:

がどんどん増えていくドキドキ感が消えてしまったのなんかは若干寂しく感じています笑

 

勿論LINEなどのツールの方が便利なので、メールのRe:は消えていいと感じる方がほとんどだと思いますが、ユッコが感じたような寂しさ、そして不安を感じている人は多いと思います。

Facebookの広告なんかにも、「10年後に消える仕事」みたいなの出てきますしね。 

 

そこで今回は、

 

技術が人間に取って代わってしまうのか。そして、そのとき人間はどうなっているか?

 

といったことを考えるために、井上智洋先生の『人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊』(文春新書)を紹介したいと思います。

 

この本では、AIの特徴が詳細に述べられており、奪われにくい仕事などについても書かれております。

また、AIが発展したときの社会保障としてベーシックインカムを推進しております。

ベーシックインカムは、社会保障や年金のように特定の人達にだけ支給されるお金ではなく、国民全員にお金が支給される制度ですね。

 

AIやディープラーニングってなんとなく聞いたことはわかるけど詳しく知りたい

といった方にとてもおすすめです!

それでは、紹介していきます!

 

人工知能は人類全員を幸せにするか 一部の人のみを豊かにするか

 

井上先生は、人工知能を学んだマクロ経済学者」でありクロスオーバー的に物事を考えられる方です。

人工知能の出現によって経済がどう変化していくか、ということが述べられております。

 

事務作業や肉体労働がAIに変わっていくことは、みなさん予想されていると思います。

やっぱり一番議論が分かれているところは、

AIはバッハやピカソといったような芸術作品を作れるか?

という所だと思います。

 

僕は、

人間の感性も脳の信号パターンを解析してしまえば再現可能だ

と考えていたのですが、どうやらそう簡単な問題でもないようです。

 

AIの手法は「全能アーキテクチャ」と「全能エミュレーション」の大きく二つの特性に分けられます。

 

本書の中で、井上先生は

「全能アーキテクチャ」は、新皮質、基底核、海馬などの脳の各部位毎の機能をプログラム(モジュール)として再現し、後で結合する方法を取ります。

「全能エミュレーション」は脳の神経系のネットワーク構造の全てを(あるいは脳を分子レベルで全て)スキャンするなどしてコンピュータ上で再現します。

 と述べられています。

 

僕が想像していたのは、どうやら「全能エミュレーション」のようですね。

このように、AIと一口によっても違いがあることや、それによって来るべき未来が変わってくることが詳しく語られています。

 

また、「生命の壁」という言葉を用い人間とAIの違いについても述べられております。

一例を挙げますと、AIが「体」を持っていないことによる人間との違いがあります。

つまり、身体感覚によるひらめきなども脳に影響を与えていると考えられるため、体を通した感覚的なところにAIと人間の違いが現れるというものです。

 

このように、AIの特性や人間との違いについて書かれています。

そして、それらを踏まえた上で、どういった職業がAIに奪われていくか、またAIは芸術作品を生み出すことができるのか、といった議論へと発展していきます。

 

今後の経済や技術の推移が気になる方や、単純にSFが好きな方なども必見だと思います!!

AIが発達したときの社会保障

また、AIがどう社会を変えるかということだけでなく、経済学者としての観点から、AIが普及した時代の社会保障としてベーシックインカムを導入すべし!

ということを述べられています。

 

機械が人間の仕事を奪っていった場合、働きたくても就職先がない人たちと、機械によって会社を経営している資本家に分かれます。

機械が冨を生み出し続けていくことで資本家は富を得ることができますが、労働者は働き口がないので賃金を得ることができなくなります。

 

そうしたときのために、ベーシックインカムにより、全員にお金をばらまくことが必要というものです。

 

「全員にお金をばらまく財源なんてない」

とおっしゃる方もいると思いますが、それは問題にならないことなどを日本経済の仕組みなどと合わせてわかりやすく説明されています。

 

ベーシックインカムについては、より詳しく書かれている井上先生の本もあるので、そちらも読んで勉強したいと思います。

 

まとめ

今回紹介した本では、メイントピックとして

AIの発展がどう経済に影響を与え、そうした未来ではどのような経済政策が必要か

といういことについて述べられています。

産業革命の背景などとも関連させながら書かれているため、技術の発展が世の中に与える影響を学びたい方にもとてもおすすめな本です。

気になった方はぜひ下記から購入してみてください!